トライアスロン初心者の方で不安の種となるのが、このトランジションのセッティング方法なのではないでしょうか?
本記事では、トライアスロン初心者に向けてトランジションのセッティング方法について解説します。
不安を取り除いて、自信を持って大会に臨んで頂ければと思います。
この記事を書いた人
トライアスロン大会を数多く経験
トランジションの経験は数十回
トランジションとは?
トランジションとは、
トライアスロン・パラトライアスロンで、次の種目に移行するための着替え・用具の変更のこと。水泳(スイム)と自転車(バイク)、自転車(バイク)とマラソン(ラン)の間に行い、これらの時間も総記録に含まれる。「―エリア」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
まさしく、辞書のとおり(トライアスロンでは)次の種目に移行することをトランジションと言います。
実際にトライアスロンのトランジションエリアを見ていきましょう。
実際のトランジションエリアを見てみよう
第1回東京・海の森トライアスロンを例に解説します。
トランジションエリアには、サイクルラックがたくさんあります。
セッティング後は、こんな感じになります。
ここで着替えたり、補給食を食べたりするわけですね
では、実際にどのように準備するのかを見ていきましょう
トランジションエリアに入場
初心者の方は落ち着いて準備ができるよう、時間に余裕を持ってチェックインしましょう。
トランジションエリアに入る前に審判員によるチェックが行われます。
- ナンバーゼッケンは取り付けられているか?
- ヘルメットのストラップをちゃんとしているか?
- ペットボトルを使用していないか?
- ロードバイクにライトなどの不要物を取り付けていないか?
- ブレーキはしっかり作動するか? など
ペットボトルは使用不可です。
必ずボトルを使用するようにしましょう。
テールランプも取り外すように言われたことがあります。
自分のサイクルラックを見つけよう
トランジションエリアに入場したら、まず自分のサイクルラックを見つけましょう。
サイクルラックには、それぞれ番号が振られています。
黄色いプレートを参考にして探しましょう。
次に、なにをどのようにセッティングをするのかを見ていきましょう。
トランジションのセッティング方法
自分のゼッケン番号と同じ数字のサイクルラックに自転車を引っ掛けましょう。
写真のように、サイクルラックの番号が見える方に立ち、ハンドルが自分の側になるように引っ掛けます。
ビンディングシューズ
ランニングシューズでも代用可能です。
ビンディングシューズを事前に自転車のペダルに取り付けている人もいますが、玄人向けです。
初心者は、ビンディングシューズを履いてから乗車位置に行くことをオススメします。
ビンディングペダルについては、以下の記事を参考にしてください
靴下
短い距離であれば必要がないという人もいます。
普段のトレーニングで靴下を履いているのであれば、履いた方が安心でしょう。
普段やっていないことをレース本番でやろうとしても上手くいかないことが多いです。
ビンディングシューズの中に入れておくとスムーズに履けるのでオススメです。
ヘルメット
必須アイテムです。
バイクのハンドルに引っ掛ける、または、地面に置くとよいでしょう。
私は、いつも写真のようにハンドルに引っ掛けています。
サングラス
サングラスは必須ではありませんが、準備しておくことをオススメします。
バイクは高速巡行となります。
虫やゴミなどが目に入ると大変です。
写真のように、ヘルメットの中に入れておくといいですよ。
ゼッケンベルト
ゼッケンベルトも必須アイテムです。
バイクのハンドルに引っ掛けるとよいでしょう。
タオル
あってもなくても大丈夫です。
ですが、初心者の方は準備しておいた方がよいでしょう。
何かと便利です。
私は、主にスイムアップ後、ビンディングシューズを履く前に濡れた足を拭くのに使っています。
補給食
準備しておいた方がよいでしょう。
トランジションエリアは補給のチャンスでもあります。
もちろん、給水ボトルも自転車にセッティングして、バイク中に水分補給ができるようにしておきましょう。
バイクのトップチューブに養生テープなどで補給食をセットするのもオススメです。
補給食については、以下の記事を参考にしてください
キャップ
これも人によりけりです。
私の場合、自転車でもキャップをかぶるので(あまりいない)ヘルメットの中に入れています。
キャップのつばが雨よけになるので、雨天時のレースなんかでは重宝します。
ランニングシューズ
必須です。地面に置いておきましょう。
天候が不安定な日には、ビニール袋に入れておくことをオススメします。
びちょびちょのシューズで走りたくないですからね。(最終的にはびちょびちょになる場合が多いですが)
パンク修理セット
大会前日までにしっかりメンテナンスをして、適正な空気圧の維持と、適切な時期にタイヤとチューブの交換をしておけば、そうそうパンクすることはないと思います。
ただし、パンクすると、ほぼ確実にDNF(途中棄権)となってしまいます。
万が一に備えてクイックショットを準備するのもアリです。
その他
水(スイムアップ後、洗う用)、日焼け止め、バスタオル、絆創膏…
必要以上に準備すると、他の選手の邪魔になることもあるので気をつけましょう。
レースに必要のないものをトランジションエリアに置くことは禁止されています
適宜、手荷物預け等を利用しましょう
トランジションのセッティング+αの知識
写真のようにロードバイクのトップチューブに養生テープでパンク修理キットや補給食をつけておくこともできます。
おすすめの方法です。
レース前にトランジションエリアで確認すべきこと
レース前のトランジションエリアで確認すべきこと。
それは、導線です。
- スイムアップ~トランジションエリア入り口
- トランジションエリア入り口~自分のサイクルラック
- 自分のサイクルラック~バイク乗車位置
- バイク降車位置~自分のサイクルラック
- 自分のサイクルラック~ランスタート位置
これらの導線を事前に確認しておくことで、トランジションをスムーズに行い、レースを有利に進めることができるでしょう。
また、トランジション内でのバイク乗車は禁止されています。
必ず、乗車ラインを片足が越えて地面に片足が完全についてから乗車、また、降車ラインの手前で片足が接地してから降車するようにしてください。(足が接地する前にバイクの先端がラインを越えるとペナルティをとられます)
乗車・降車ラインには審判員が必ずいるので、ペナルティを取られないように注意しましょう。
写真を確認すると、片足が乗車ラインを越えて地面に完全に接地しているので乗車可能ですが、
初心者の方は、ゆっくり確実にラインを意識して乗り降りしましょう。(自転車がラインを完全に越えてから乗車、ラインの手前でしっかり降車するでOK)
写真では、自転車が完全にラインを越えてから乗車しています。
自信がない方は、後続車にも配慮して、端っこのほうで自転車に乗るようにしましょう。
トランジションエリア内では、バイクは押して走ります
いろいろなトランジションエリア
ここでは、複数の大会のトランジションエリアを見て、実際のトランジションエリアのイメージを摑みましょう。
どのトランジションエリアも似たような感じですね。
10レース以上参加しましたが、国内のレースは、どこもこんな感じです。
安心してトライアスロンに挑戦できそうです。
なかには、トランジションエリアが2か所の大会もあります。
国内大会では滅多にありませんが、一応確認しておきましょう。
トランジションの準備(2か所の場合)
トランジションエリアが2か所ある大会では、
- スイムアップ~バイクのトランジション
- バイク~ランのトランジション
をそれぞれ違う場所で行います。
バイクエリアには、シューズやヘルメット、タオルなどを置くことができません。
では、どこに置くのかというと、
トランジションバックに荷物を入れて画像のように準備します。
つまり、
- スイムアップ
- トランジションバック①からバイク準備
- 自転車ピックアップ
- バイク終了後、トランジションバック②へ
- ランの準備
トランジションが2か所の大会では、トランジションバックが複数支給されます。
例えば、
青紐のバックにバイクギアを入れる。
赤紐のバックにランギアを入れる。
という感じです。
少しややこしくなりますが、トランジションの準備物に違いはないので、少し勝手が違うということを知っておくとよいでしょう。
さいごに
トランジションの速さは、トライアスロンのレースの一部としてタイムに影響します。
そのため、トランジションは、トライアスロンの第4の種目ともいわれるほどに重要です。
初心者トライアスリートは、周りの選手の素早いトランジションに焦ってしまうかも知れません。
ですが、初心者こそ急がず、慌てず、丁寧にトランジションを行うことを心がけましょう。
慌ててしまうと足が攣ったり、ウエットスーツがうまく脱げなかったり、転んでしまったり…と逆に時間がかかってしまうことになってしまいます。
落ち着いて、ひとつひとつ丁寧に、着実に第4の種目を攻略しましょう!