泳ぐのに適した水温は、何度なのでしょうか?
本記事では、トライアスリート視点から、泳ぐのに適した水温について考察していきます。
泳ぐのに適した海水温
トライアスロンを趣味としている私の結論として、
泳ぐのに適した水温は25℃前後
といえそうです。
トライアスロン初心者は、水温25℃前後の大会から始めるとよいでしょう。
水温と感じ方
水温によって、冷たい・暖かいと感じ方が異なります。
水温の感じ方をまとめました。
競泳に適した水温は、25℃~28℃
水温の基準について
下記の4つの団体の水温に関する基準について紹介します。
文部科学省
公益社団法人日本プールアメニティ協会
公益財団法人日本水泳連盟
社団法人日本トライアスロン連合
文部科学省
低学年や初心者ほど水温に敏感で、一般的に22℃未満ではあまり学習効果は期待できません。そのため、水温は23℃以上であることが望ましく、上級者や高学年であっても22℃以上の水温が適当といえます。
文部科学省(学校体育実技指導資料代4集「水泳指導の手引き(三訂版)」より抜粋)
水温と気温の差は、水温が若干低くても気温が高ければ不快感は少ないし、反対に水温が高くても気温が低ければ快適ではありません。
公益社団法人日本プールアメニティ協会
プールの水温は22℃以上が目安ですが、遊泳に適する水温は26℃~31℃です。気温は水温より高めで風がないことが理想的です。室内プールでは29℃~31℃が適温です。
公益社団法人日本プールアメニティ協会より引用
公益財団法人日本水泳連盟
水温は16℃以上31℃以下とする。
公益財団法人日本水泳連盟(オープンウォータースイミング競技規則より抜粋)
OWS競技会において水温が20℃以上ある場合、男性、女性、両者の水着は、首を覆ったり、肩を超えたり、足首を超えてはならない。
水温が18℃以上20℃未満のOWS競技会においては、水着もしくはウェットスーツを着用できる。水温が18℃未満の場合は、ウェットスーツの着用を義務とする。
社団法人日本トライアスロン連合
ウェットスーツ着用基準
社団法人日本トライアスロン連合(競技規則より抜粋)
スイム距離 着用 着用義務水温 基準制限時間 1500m以下 推奨 18℃以下 1時間10分 1501~3000m 推奨 20℃以下 1~2時間 3001~4000m 推奨 22℃以下 2~2時間30分 (3)その他の大会・部門
各団体の基準から分かる適温
✓プール
22℃以上、26℃~31℃が適温
✓オープンウォーター
16℃~31℃で競技実施可能、気温・水温から判断して距離の短縮、スイムの中止が行われる
経験談
九十九里トライアスロン(2021年10月31日)
気温 | 15℃ |
水温 | 19℃ |
距離 | 1.9㎞ |
時間 | 1時間程度 |
ウェットスーツを着用しました
大会当日は、曇り、気温15℃。
とにかく寒かった。
ということはよく覚えています。
水温19℃。冷たい。
ウェットスーツの露出部分が冷えて辛かったです。(主に顔)
大げさに書くと、ケガをしていないのに、顔面に氷水を当て続けられている感じ。
もうそれはそれはつらかったです。
ミドルディスタンスだったので、1.9㎞
時間にして、なんと1時間近くかかってしまいました。
体の芯から冷え切っています。
スイムアップ後、太ももとふくらはぎが攣って、まともに動けませんでした。
その場に座り込み、体を震わせて凍えていると、大会スタッフに休憩所に案内されました。
すでに10人程度の選手が凍えていました。(リタイアした人も多かったかと思います)
サバイバルシートで体を覆い、お湯をもらって体力の回復を待ちました。
サバイバルシートのあたたかさに感動したことを覚えています。
凍えた後続の選手も増えてきて、大会スタッフからの無言の圧力(リタイアするかレースに行け)を感じつつ(たぶん)、
体力の回復に努めました。
リタイアも頭をよぎりましたが、約4万円も払ってリタイアするなんて、自分の貧乏魂が許さず、10分程度休んだ後、トランジションエリアに向かいました。
自分のトライアスロン経験上、一番追い詰められた記憶です。
- スイムアップ後、身体が動かない、ふるえる
- トランジションエリアまで走っていられない、座り込む
- 思考がぼんやりする、リタイアが頭をよぎる
水温19℃だと、私レベルの趣味トライアスリートでは、2㎞前後が限界でしょう
第8回東京湾アクアスロン大会(2022年11月20日)
気温 | 13℃ |
水温 | 15℃ |
距離 | 900m |
時間 | 20分程度 |
ウェットスーツを着用しました
九十九里トライアスロン2021のときほど追い詰められませんでした。
というか、どちらかというと余裕でした。
900mで20分程度ですから。
しかし、これ以上泳ぐとなると話は別だったでしょう。
スイムアップ後、すでに手の感覚が弱まり、手の動きが鈍くなる等、軽度の低体温症の症状が見られました。
- 入水直後、呼吸が過呼吸気味になる
- ウェットスーツの露出部分が冷える
- 軽度の低体温症(さむけ、手の動きが鈍くなる等)
水温15℃だと、私レベルの趣味トライアスリートでは、1㎞前後が限界でしょう
第1回東京・海の森アクアスロン大会2022(2022年7月17日)
気温 | 30℃ |
水温 | 25℃ |
距離 | 1000m |
時間 | 20分程度 |
ウェットスーツを着用しました
これくらいの気温・水温だと全く寒さは感じず、むしろ、ウェットスーツを着ると暑く感じます。
水の中は気持ちよく感じるでしょう。
初心者の方は、これくらいの水温の大会から始めるとよいかもしれません。
水温25℃だと、私レベルの趣味トライアスリートは、最高に気持ちよく泳げるでしょう
まとめ
トライアスロンを趣味としている私の結論として、
泳ぐのに適した水温は25℃前後
といえそうです。
ウェットスーツを着用している前提で考えています
競技規則や私の経験談からもわかるように、泳ぎやすさには、水温だけではなく、気温も大きく影響します。
初心者トライアスリートは、7月~9月頃のトライアスロン大会から始めるといいかもしれませんね。