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トライアスロンの死亡事故について【最も危険なのはスイムパート】

トライアスロン

トライアスロンを楽しむためには、何よりも安全への配慮が必要です。

普段どれだけトレーニングを重ねていても、いくら大会への参加経験が豊富であっても、大勢の選手が参加するトライアスロンの大会では、予期せぬトラブルが発生してしまうことがあります。

最悪の場合は、死に至ってしまうケースもあるのがトライアスロンです

トライアスロンは、決して危険なスポーツでもなければ、想像を絶するほどに過酷なスポーツでありません。

しかし、慢心は命取りです。

本記事では、国内トライアスロン大会における死亡事故を紹介します。

国内トライアスロン死亡事故の傾向

1981年~2015年の国内大会での死亡事故は37件

  • 死亡事故37件(9割以上男性)
  • 8割以上はスイム事故
  • 経験者13件、初心者7件、不詳その他17件
  • ロング4件、ミドル6件、スタンダード9件、スプリント10件
  • 溺死13件、心疾患系8件、不明その他16件

経験者の死亡事故も多く、必ずしも初心者が危険というわけではありません。

また、競技距離が長ければ長いほど、死亡事故が多くなるというわけでもなさそうです。(むしろ短い距離の方が件数が多い)

死因としては、溺死が最も多くなっています。

オープンウォーターでの泳ぎ方について事前によく知っておくことが大切です。

死亡事例

トライアスリート

ケース①

通常の泳ぎをやめて、立ち泳ぎを繰り返す選手に、カヌーで巡行中の大会関係者が気づき、競技続行が可能かを確認。
選手は続ける意思を示し、コースに設置されたロープにつかまって1分ほど休んだ後、再び泳ぎ始めたが、間もなく顔を海水に付けた状態で浮いているのをカヌーの大会関係者が見つけた。

https://archive.jtu.or.jp/news/2016/pdf/jtuforum_medical_20160206

ケース②

スイム残り50m地点で近くにいたライフセーバーにつかまらせて欲しいと声をかけ、ボードにつかまり背浮の状態で休んでいたところ、頭部から沈み始めたため、そのまま救助。
近くにいたライフセーバーが救助要請。
ジェットスキーでポンツーンに搬送、心肺蘇生、AEDを実施。

https://archive.jtu.or.jp/news/2016/pdf/jtuforum_medical_20160206

ケース③

スイム終盤、幾度もロープにつかまり小休止を繰り返すのでライフセーバーが追尾、都度声かけするも「大丈夫です」としっかり返答あり。
ところが急に静止状態となった。

https://archive.jtu.or.jp/news/2016/pdf/jtuforum_medical_20160206

ケース④

コースを監視していた大会のスタッフは、「泳ぎが遅かったので、途中で声をかけたが、本人は、『大丈夫だ』と言っていた。助けたときにはすでに意識がなかった。」

https://archive.jtu.or.jp/news/2016/pdf/jtuforum_medical_20160206

ケース⑤

ゴール手前100m付近でコースをはずれ、一旦逆に泳いだ後、Uターンして泳ぎ始めた直後、動きが止まった。
近くにいたダイバーらが引き上げたが心肺停止状態。

https://archive.jtu.or.jp/news/2016/pdf/jtuforum_medical_20160206

スイムパートでの事故が多いです

オープンウォーターでの泳ぎ方(詳しくはこちら)をよく確認しておきたいです。

直前までは、競技続行の意志を伝えている場合でも、その直後に心肺停止になる例もあります。

突然、死に至る場合もあるということを肝に銘じておきましょう

トライアスロン死亡事故に関する報道

日刊スポーツ(2015年9月30日)

日本トライアスロン連合は29日、東京都内で理事会を開き、相次ぐ競技中の死亡事故を受けて各都道府県の加盟団体、大会主催者などに対策を求める緊急要請を行った。特に海、湖などで実施する水泳について「リスクを改めて重く受け止め、対策を講じることを切にお願い申し上げます」と要望した。同連合によると、今夏の国内大会で6人が心不全などで死亡した。

水泳と自転車、ランニングを組み合わせたトライアスロンは健康志向の高まりで、競技愛好家が増えている。鳥取県では7月に56歳の男性医師が競技中にうつぶせで浮かんでいるのが発見され、搬送先で死亡が確認される事故があった。

https://www.nikkansports.com/sports/news/1545977.html

上記の記事には、第35回全日本トライアスロン皆生大会での事故が書かれています。

第35回全日本トライアスロン皆生大会では、参加者がスイムの最中に意識不明となり、病院に搬送されるも約1時間半後に死亡する事故が起こりました。

これを受けて、第36回大会では、安全対策の強化を前提に、審判・警備の増員及びコース変更を検討したようです。

日本海新聞(2022年7月8日)

「全日本トライアスロン皆生大会」の歴史は、選手の安全を守るための歩みでもある。過去にはスイム競技中に2件の死亡事故が発生。安全面強化のために、ルールの見直しや監視体制の強化を繰り返してきた。今大会は新型コロナウイルスの感染対策も徹底し、万全の態勢を整える。

https://ns.nnn.co.jp/news/220708/20220708060.html

大会の主催者側も様々な対策を講じてくれています。

トライアスリートである競技参加者も慢心を断ち切り、万全の準備で大会に臨むべきです

そこに、経験者も初心者も関係ありません

まとめ

ライフセーバー
トライアスロン大会でのライフセーバー
  • 死亡事故はスイムに多い
  • 初心者だけではなく経験者の死亡事故も多い
  • 競技距離に関係なく死亡事故は起こる
  • 死因には、溺死、心臓由来のものが多い
  • 突然、死に至る場合もある
  • 死亡事故への対策が講じられている

楽しいトライアスロンで最悪の事態に陥ってしまわないように、しっかりと準備をして、慢心を断ち切りましょう。

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