東京オリンピック・パラリンピックのトライアスロンやオープンウォータースイミングの会場となったお台場海浜公園の水質問題が話題になりました。
実際に、お台場の海を泳いだことのある立場から、東京湾について語りたいと思います。
結論:東京湾は汚い
さっそくですが、結論として、
東京湾は汚い。
これは事実です。
ですが、関東で行われている多くのトライアスロン大会と大きく違いはありません。
どこもそれぐらいの汚さです。
お台場周辺の海を泳いで
東京オリンピック2020のトライアスロン会場の海。
写真は2023年5月4日に行われた、ジャパンビーチゲームズフェスティバルお台場2023に参加した時に撮影したものです。
実際に泳ぎましたが、嘔吐するほど汚くもなかったし、とくに臭くもなかったです。
第1回東京・海の森アクアスロン大会
近くのお台場の海も見てみましょう。
この日は、第1回東京・海の森アクアスロン大会に参加しました。
※大会の感想は、こちら
視界
茶色く濁っているため、視界はほぼ0。
入水している自分の指先がほぼ見えないレベル。
臭い
「トイレ臭」は全くなかった。
海のにおい、磯臭さは多少あった。
体への影響
嘔吐したり、体調を崩したりすることもなかった。
後から下痢になるということもなかった。
第1回東京・海の森トライアスロン大会
この日は、第1回東京・海の森トライアスロン大会に参加しました。
※大会の感想は、こちら
視界
入水している自分の指先ギリ見えるレベル。
前回大会のときよりも綺麗になった?
水質は、季節も関係するのかもしれない。
臭い
「トイレ臭」と磯臭さは、全くなかった。
体への影響
スイムアップ後は、嘔吐したり、体調を崩したりすることもなかった。
しかし、完走後、体調を崩した。
なぜなら、暑すぎた。暑くて体調を崩した。
他のスイム会場と比べて
ここでは、お台場の海と他のスイム会場について、関東で行われている5つのレースと静岡県熱海市で行われた1レースを紹介します。
手賀沼トライアスロン(手賀沼)
水質汚濁ワースト1とも呼ばれていた手賀沼を泳ぐレース。
緑色に濁っていて視界ほぼ0。
入水している自分の指先がほぼ見えない。
淡水で、多少のドブ臭さ。
霞ヶ浦トライアスロン(霞ヶ浦)
日本で2番目に大きい湖、霞ヶ浦を泳ぐレース。(1番は琵琶湖)
淡水で、若干のドブ臭さ。
入水した自分の指先がギリ見える
大会のレビューはこちら
木更津トライアスロン(東京湾)
陸上自衛隊木更津駐屯地の中で行われるレース。
木更津港内港(東京湾)を泳ぐ。
入水した自分の指先がギリ見えるレベル。
強烈な磯臭さ。
千葉シティトライアスロン(東京湾)
千葉県の内房(東京湾川)を泳ぐレース。
会場は、京葉工業地帯の近くの千葉市稲毛海浜公園。
水質は、お台場の海とほぼ変わらない。
大会レビューはこちら
九十九里トライアスロン(太平洋)
千葉県の外房(太平洋側)の河口周辺を泳ぐレース。
一宮海水浴場はサーフィンでも有名。
入水した自分の指先が見えるレベル。
河口周辺なので海っぽいところと川っぽいところがある。
読んでいただければわかる通り、関東で開催されるほとんどの大会の水質は、どんぐりの背比べといえるかも知れません。
実際に泳いでみて、お台場の海が特別汚いといった印象は、ありませんでした。
南熱海アクアスロン(相模湾)
普段、関東の大会ばかりに出ている自分にとって、相模湾は、めちゃくちゃ綺麗な海でした。
視界が東京湾と全然違います。
海底までよく見えました。
海のにおいも、嫌な磯臭さではなく、爽やかな磯の香でした。
東京オリパラのテスト大会
東京オリンピック・パラリンピックのテスト大会では、水質悪化のため大会が一度中止されています。
「暑さもさることながら、オリンピックのオープンウォータースイミングやトライアスロンの選手たちが最も心配しているのは、東京湾の水質に懸念がある“臭い湾”だ。トライアスロンやオープンウォータースイミングの会場では、悪臭が報告されており、大腸菌の濃度レベルが上昇していることが懸念されている」としている。
(中略)
2019年にトライアスロンと、パラトライアスロン、オープンウォータースイミングのプレ大会が開催されたが、選手からは「臭い」とのクレームが続出。パラトライアスロンのスイムは基準以上の大腸菌が検出され中止になっていた。
(中略)
水質改善の時間はもう残されていない。「アスリートファースト」が声高に歌われている大会で、選手たちは「トイレ臭」と「大腸菌に汚染される恐怖」と戦いながら競技に挑まねばならなくなった。
出典元:https://news.yahoo.co.jp/articles/42e2b7d0eccbf2bb31db3c3673ee4cf3f8620f16(Yahooニュース)
すごい話題になりました。
東京オリンピックについて
話題になった嘔吐問題と実際の選手の感想を見てみましょう。
嘔吐について
リアルタイムで東京2020トライアスロン競技を見ていましたが、嘔吐した直接的な原因は、東京湾の水質ではないと思っています。
嘔吐したのは、レースの後ですから。
あの暑さの中、あの強度で運動し続けたら嘔吐もするんじゃないでしょうか。
ただ、まあ、海がもっときれいだったら嘔吐した選手も少なかったかもしれませんが。
私は、真夏のハーフマラソンの後に吐いたことがありますよ
選手の感想
実際にレースに参加した選手のコメントを紹介します。
小田倉真選手(28)(三井住友海上)は「海外のコースと比べても泳ぎやすかった」と強調。
アーロン・ロイル選手(31)(豪州)は「(においは)何も感じなかった」と話した。
出典元:https://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/20210726-OYT1T50243/(読売新聞オンライン)
東京湾水質問題の紛糾は、過剰な報道も原因の一つかもしれませんね
結論
東京湾は汚いのか?
東京湾は汚い。
汚いけど、関東のトライアスロンのスイム会場は、どこもそんなもんです。
そして、吐くほどでもありません。
メディアの報道やTwitterなんかでは、東京湾の汚さが強調されていましたが、個人的な見解として、吐く選手が多かったのは、暑さの影響が大きかったのではないかと考えています。
残念な形ではありますが、どんな形であれ、トライアスロンが注目されるのは、嬉しいことです。
皆さんもこれを機に、トライアスロンを始めてみませんか?