日本トライアスロン発祥の地、皆生で行われる全日本トライアスロン皆生大会に参加してきました。
皆生トライアスロンのスローガンは、
BRAVE &TRUE
これは、厳しいコースに果敢にも挑む選手達の勇気(BRAVE)と大会を支えるボランティアの献身的な姿勢(TRUE)を指すそうです。
大会のロゴマークにもこのBRAVE &TRUEが刻まれています。

非常に長い歴史がありトライアスリートにはもちろん、地域住民にも愛されている皆生トライアスロン。
完走率が低いことでも有名で、今回のレースも非常にハードでドラマチックな展開となりました。
そんな全日本トライアスロン皆生大会のレースレポートです。
大会概要

大会概要
大会名 | 第43回全日本トライアスロン皆生大会 |
開催地 | 鳥取県米子市 |
開催日 | 2025年7月20日(日) |
気温 | 36℃ |
競技距離
Aタイプ | スイム:3㎞ バイク:140㎞ ラン:40㎞ |
Bタイプ | スイム:3㎞ バイク:115㎞ ラン:23㎞ |

日本トライアスロン発祥の地、鳥取県米子市の皆生で行われる大会です
参加まで
東京から鳥取県米子市まで電車で輪行。
東京駅から岡山駅までは新幹線。
岡山駅から米子駅までは特急やくもに乗って行きます。
この特急やくもは、酔いやすいことで有名です。

カーブの多い山間部を走行するため、かなり揺れます。
例に漏れず、私も吐き気を催しました。
皆生まで輪行する場合には注意ポイントですね。
選手受付を済ませ、いよいよレース開始です。
参加賞は、Tシャツでした。


大会当日
バイクをラックにかけるためにトランジションエリアへ。
入場する際にベルを鳴らすように指示されます。(皆生トライアスロンは、一部しか交通規制をしていないため、ベル必須。)
トランジションエリアは、芝生。
バイクラックの隣にあるエリアにランバックとバイクバックを掛けます。
スペシャルドリンクも利用可能です。(自分は利用せず)
ゴール後に受け取る荷物を預けます。
タイミングベルトを受け取り、試泳へ。
いよいよレーススタートです。






レースの様子

ハプニングあり、絶望感あり、感動ありの、個人的にはかなり印象深いレースになりました
スイム

片道1,500mの往復(3,000m)
スタート地点は、日本トライアスロン発祥の地。
一斉スタート。
海は、綺麗で視界がかなりありました。
海底がよく見えたので少なくとも視界は10m程度はあったかと思います。
波は穏やかで、潮の流れもほとんどなかったようです。
コンディションとしては、最高でした。
スタート直後は、かなり混雑していてバトルが多かったですが、マイペースに泳ぎ余力を持って完泳しました。
後から知ったことですが、今年度のスイムパートでは事故があったようです。
大会に出場していた60代女性の選手がスイム中に意識不明の重体になったとのことです。
何があるかわからない。
それがトライアスロン。
気が引き締まる思いです。
心よりご冥福をお祈りいたします。
1:19:00(740位)
T1
スイムアップ後にシャワーがありました。
めちゃくちゃ良かったです。
スッキリしました。
トイレを済ませ、トランジションエリアでゆっくりと息を整えながら準備をしました。
バイク
140km(スーパージェットコースターコース)
コースの一部しか交通規制をしていないため、道路交通法を守らなければなりません。
レースの最中も車が普通に通行しています。
信号を守る必要があります。
高速巡行は難しいでしょう。
皆生トライアスロンのバイクパートは、めちゃくちゃしんどかったです。
想像以上にしんどかったです。
皆生トライアスロンは、バイクパートでのリタイアが多いと言われています。
それを実感しました。
本当にきついコースでした。
アップダウンがかなりあり、厳しい登りが続きます。
灼熱の中を何度も登らされます。
獲得標高は1,800mとも言われています。
そして、なんと、落車してしまいました、
序盤(30km地点ぐらい?)での落車でした。
なぜ落車したかというと、コースに落ちていたボトルを避けようとしてバランスを崩してしまったのです。
皆生トライアスロン、ボトルのポイ捨てが目立っていました。
暑さのために給水がかなり必要で、選手達はボトルを大量消費。
その結果、ボトルをポイ捨てしていたのだろうと思います。
マジで危ないからやめて欲しい。
ボトルのポイ捨ては失格でいいです。
かなり派手に転びました。
最悪なことに、落車の衝撃でハンドルが曲がり、フレームが欠けてしまいました…

買ったばかりのロードバイクでした。
悔しかったです。
テンション爆下がり。
もう、リタイアしようかと思いました。
しかし、バイクはまだ動くし、幸いなことに自分自身が軽傷でした。
まだまだやれる!
絶対に諦めないと心に誓いました。
満身創痍の中、なんとか完走。
時間は、制限時間ギリギリ。
なんとかやり切りました。
精神的にも肉体的にもしんどいバイクパートでした。
6:58:02(666位)
T2
制限時間ギリギリでのバイクフィニッシュでしたが、のんびりと次の準備をしました。
水プールに入り、体をしっかりと休めました。
トイレも済ませました。
ランはなんと6時間もあります。
余裕余裕。
このときはそう思っていました。
ラン
40km(平坦なコース)
ランパートも信号を守らなければなりません。
赤信号では止まらなければならないし、歩道橋や地下道なんかもコースに含まれています。
キロ8分ペースで走っていれば余裕で完走です。
楽勝と思っていましたが、甘かった。
5キロほど走ったあたりでしょうか?走ると太ももが攣りそうになります。
バイクで足をかなり削っていたようです。
騙し騙し走り続けていました。
10キロほど走ったあたりでしょうか?オシッコは出ないのに変な尿意に悩まされます。
トイレに行ってもちょこっとしか出ないのに、トイレに行きたくなるし、少しの尿が出るだけで痛みを感じました。
血尿です。
ハードな運動などで体を酷使すると血尿が出ることがあるようです。
脚の攣りと血尿に悩まされ、キロ9分、キロ10分とペースを落とし続けてはいましたが、騙し騙し走り続けました。
折り返し地点です。
時間は約3時間経過していました、
ヤバい!ヤバい!ヤバい!
前半のペース以上を維持し続けなければ、制限時間内の完走は絶望的です。
クソ!クソ!クソ!
皆生まで来て何をやってるんだ!オレは!
もう無理かもしれない、
完走できないかもしれない、
そんなネガティブな気持ちになりかけていました。
そんなとき、エイドステーションや沿道の方々の応援が力になりました。
「頑張ってください!」
そうだ、今頑張らなければ、いつ頑張るのか?
これが人生最後の皆生トライアスロンかも知れない。
全てを出し切らなくてどうするのか?
後悔はしないか?
今こそ頑張るべきときなのではないか?
そんなことを自問自答しながら走り続けました。
ありがたいことに、日が暮れて走りやすくなってきました。
ペースも上がってきます。
キロ8分30秒ぐらいを維持し続けました。
本当によく頑張った。
本当によくやった。
なんと、制限時間2分前にゴール。
最後の最後まで完走できるかわからないレースでした。
ゴール直前、
よっしゃー!!!
自然と声をあげてしました。
ゴール後、色々と込み上げてきて泣きそうになりました。
こんなに感動したレースは、初めてです。
6:10:49(471位)

ゴール後
自分ゴールした、たった2分後にはTOVの選手達がゴールしていました。
彼らの表情は不思議と満足気に見えました。
完走は完走です。
完走した者、全てが勇者(ブレイブマン)です。
完走後はテンションが上がり、疲れているにも関わらず、列に並んで1人で写真を撮りました。

その後、ゲボを吐き、満身創痍の体に鞭を打ちながら、バイクとトランジションの荷物を回収。
自走してホテルまで戻りました。
本当によくやった。
自分で自分を褒めてあげたい。
そんなレースでした。
14:27:51(制限時間2分9秒前)
感想
今年の完走率は、(後日掲載)%だったようです。
BRAVE &TRUE

その言葉通り、皆生トライアスロンに出場した全てのトライアスリートは勇敢な精神の持ち主、勇者であったし、それを支えるボランティアの皆さんは、心やさしい優者であったと思います。
全日本トライアスロン皆生大会は、めちゃくちゃキツい大会ですが、ボランティアや沿道の応援が温かな大会でもありました。
日本のトライアスロン発祥の地で行われる歴史のある全日本トライアスロン皆生大会。
トライアスリートなら、一度は出場してみたい大会ではないでしょうか?
最後までお読みいただきありがとうございました。
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